2010年5月15日土曜日

純潔ブルースプリング/十文字青

純潔ブルースプリング純潔ブルースプリング

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-08-26
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とびきりポップでクレイジー!十文字青、幻の受賞作にして最高の青春小説!!
刻一刻と"終わり"が迫る世の中で、不格好ながらも、曇りのない正義感と友情、そして不器用な恋に生きる6人仲間のひと夏を綴った、とびきりポップな青春グラフィティ! 十文字青、幻の受賞作、ついに登場!! 
角川書店 オフィシャルページより引用

 終りの予報された世界で おとな大人と子供の境目、青春時代のちょっと変わった子どもたちの青春。
 受賞作とあって、私が既読の第九3部作と比較して、荒削りな部分はあるが、確かにあの十文字青の作品であると感じた。青春時代、思春期に感じるくだらないジレンマみたいなものは確かに、エガがれていた。
 ただ、自分はあまり楽しめなかった。青春ではあるのだが、青春モノの小説とみるにはなにか違うと感じた。変わっている人には変わった人生があるのが当然で、ライトノベルにある青春モノって特別でない人が、皆が感じるようなジレンマに悩まされ、それを少し誇張したもの。そういう青春モノを求めていたから肩透かしを食らったのかな。

  第九3部作がとてもたのし楽しめたので、あれらにあるような、痛々しく、だけど傍目からみればくだらない悩みに振り回されるのかとおもったけど、全く感情移入できない登場人物が勝手に動きまわって、全く共感できない物事に振り回される
そのさまを見せられただけだった。
 番場と繭のデートに関して言えば、初々しさがとてもみていて心地よく、そこに関してだけ言えばとても楽しんで読めた。

おもしろくなかったとは言えない。自分とは合わなかった、そう思う。自分の求めるこの年代の少年たちの物語と、この物語が違った。それだけだと思う。
他の人の感想をみると、作者のファンが楽しんで読んでいる、そういう風に読み取れる感想が多かった。

あと、終末へ向かう世界の雰囲気があまり感じられなかったのも、あるのかもしれない。あれだけ大きなことを初っ端でぶちあげておきながら、物語の進行に全く関与してこないし、なくても良かったんじゃないか、と思えるようなエンディングになってたのにも、ちょっぴり不満。単にロマンチックな言葉で締めくくるための、置物のように感じた。

 今まで自分が青春モノをラノベでしか読んだ事ないからこういう風に感じているのかもしれない。ラノベレーベルで出さなかったというのは正解だったのかもしれない。

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