2010年7月2日金曜日

神様のメモ帳〈5〉/杉井光

神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)
杉井 光 岸田 メル

アスキーメディアワークス 2010-05-10
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ニートティーン・ストーリー、待望の初短編集登場!
ニート探偵アリスとその助手である僕は、深刻な事件の合間にもばかばかしくてつまらない、けれど忘れられない揉め事にいくつも巻き込まれている。今回はそんな僕らの事件簿からいくつかをご紹介しよう──

 ミンさんを巡るストーカー事件「はなまるスープ顛末」、アリスご執心の酒屋を襲った営業妨害事件「探偵の愛した博士」、平坂組のバカどもを総勢で巻き込んだ誘拐事件「大バカ任侠入門編」に、特大100ページ書き下ろしのオールスター野球騒動「あの夏の21球」を収録。
 泣き笑いの日常満載のニートティーンストーリー、初短編集!
電撃文庫オフィシャルページより引用

いくつかの媒体で掲載された短編を纏め、書き下ろしを1本。掲載当時にチェックしたひとからすると、ちょっと物足りない内容なのかもしれないけど、自分は基本文庫待ちするから、とても楽しめた。
今までの事件のちょっとあとを描いたものがほとんどで、それぞれの短編毎に時期が飛び飛びでアリスとナルミの関係性の変化がよく見て取れた。いつのまにやら、ベッドに上がってくることも気にしなくなったんだなぁ・・・ナルミの方は逆に意識するようになったりといつまでも微笑ましい二人だこと。
ニート達のバカ騒ぎという点においては、長編より楽しめる1冊だった。結末もおかしなものがおおいので、あまり重い気持ちにならず短編集らしい短編集。


『はなまるスープ顛末』『大バカ任侠入門編』この二つがお気に入り。

『はなまるスープ顛末』はミンさんのおp・・・魅力が盛りだくさん。親父さんとのこととか、あと・・・まぁいろいろ。タージマハル型ね、覚えた。
なんだかんだ言いながらも、親父さんの帰りを待って、店と味を守ろうとしたミンさんにまぁなんというか、萌えた。ちょっと違う気もするんだけど、別の表現が思いつかないので。

『大バカ任侠入門』は平坂組の雛ちゃん不在の隙にバカ共が無理に動いて馬鹿騒ぎをする。こういう大騒ぎというのはいいものだね。バカだけど純粋だから、それが自分の正しいことだと思えば突っ走る。確かに悪いことをしているわけじゃないけど(最終的にはそうとも言い切れないけどw)もっとうまく立ち回れるだろうに、ってことをできない。つまり愛すべきバカというのはいいものだねということ。 
最後のアリスは、気持ちは理解しないでもないけど、オススメはしないよ。そもそも考え方が違うのだと思うよ。

 短編集だったから、いつもの神メモ読んだ後のなにか考える、ということはあまりなかったけど、とても楽しく、日常のなかの些細なことでも、当人にとっては一大事というのを、本編以上に感じられる1冊だった。

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